『アリスの恋』(1975)
『アリスの恋』すごくマッチした邦題だと思う。原題はALICE DOESN'T LIVE HERE ANYMORE(アリスはもうここには住んでいない)だが、むしろ目指していた地点ではないところに自分の居場所をひょんなことに見つけてしまう。まさしく「恋」ではないでしょうか。
この映画はホラー映画のような赤い世界から始まる。歌手になりたいと夢を見る少女が歌っているシーンである。そしてそれがいとも簡単に吹っ飛ばされたかのような演出で現在のアリスのシーンへと移っていく。
アリスは35歳。夫の死をきっかけに、我が子を連れ、きっと上手くいくであろうモンテーレへ車を走らせる。本当に望むものは、夢か子どもか愛する男か。
二兎を追う者は一兎をも得ず。はたまた一石二鳥。
その答えはこの映画のラストではなく、その後にあるのだと信じたい。
2年後に撮る、みんな大好き「タクドラ」